「本を読もう!」

  

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 小説日本通史(全八巻) 著:邦光史郎 祥伝社文庫

日本の始まりから第2次世界大戦の終結までを描いた超大作。
各巻約600ページ全巻で4000ページ以上で一年かけて2度読
みました。
日本史を通して読んだことが無かったので歴史の流れがすごく
勉強になります。
またあまり興味の無かった時代を読んで新たに興味がでた時代も
あり大変興味深い一冊です。
この著は一般の歴史小説としても読みやすくて面白いですが、
その時代の権力者と拘わる「木ノ花一族(善)と「冥府一族
(悪)との死闘も同時に描かれていて非常に引き込まれる作品
です。

 北条時宗 著:八尋舜右 成美堂出版
NHKの大河ドラマの前に読みました。
この「物語と史蹟をだずねて」シリーズは文中で表された場所等
を細かく解説しながらの編集なので史蹟を訪ねる時には重宝する
本です。
北条時宗は日本の権力者(統治者)の中でも珍しく私利私欲のな
い(少ない)人物だと思います。
時代は鎌倉、蒙古襲来の時期の執権でこれも一つの時代が呼んだ
人物かもしれません。
御家人集団の不安定幕府、何も出来ない朝廷との板ばさみになり
孤軍奮闘する姿が脳裏に浮かびます。
危機管理は今もこの時代も変わらないかもしれません。

 空海秘伝 著:寺林峻 学陽書房
空海の生涯を一冊の小説に纏めている作品です。
氏の作品は私にとって初めてで内容も「空海」なのでどうかな?
と思いながら買ったのですが結構読みやすい作品でした。
空海の幼少時代から即身成仏するまでを非常に詳細に書かれています。
「空海」は全国に「空海伝説」と言われる話が多々ありますが、
彼の人望・土木技術・そして時代の最先端の密教がそう言わして
いるのしょう。
今でも空海が拘わった堤防などが残っています。
空海について書かれている書物を読むといつも心が洗われます。
ちょっと心が荒んだと思ったら「空海」の本を読んで下さい。
人にやさしくなれますよ!

 古事記 著:梅原猛 学研M文庫
私の好きな梅原氏の作品です。
「古事記の本当の撰者は藤原不比等しか考えられない。」と言う
氏の仮説を解明すべく書かれています。
内容が内容なので非常に難解で民俗学の要素も加味されなければ
語れません。
「古事記」をアイヌ語を学び直して解けなかった「枕詞」を解明
して、文章の意味を明らかにしていきます。
従来とは違った現代語訳は漸く意味が帯びて現在の人の心に飛び
込んできます。

 未来記と未然記 聖徳太子の「秘文」開封 著:飛鳥昭雄・上山智 徳間書店
聖徳太子は非常に謎に満ちた人物です。その存在を否定する人や
実名は別にある、とか様々です。
その謎の人物でもモデルとなった人はいると思います。

「未来記」は聖徳太子の予言書でその存在が噂されているものです
その本が国会図書館に秘蔵されているのがわかった。
「ノストラダムスの大予言」と対をなすと言うことらしいですが、
出し惜しみ過ぎの内容に少し閉口してしまう作品です。
どうも続編を出すつもりのようでこの作品は一種の予告編的で
いささか失望しました。


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